大変美しい「オーダーメイド」という魔法の言葉(笑)
自分に足に合わせた、夢の靴を作るなら…どんな工程になるのでしょう?
いったい、どんな履き心地なんでしょう?
この度、自分のため!そして靴の構造を学ぶため
手作り靴cui cuico(キキコ)さんにご教授いただきながら
長い時間をかけて、自分のオーダーメイド靴を作ってきました。
今回は、私が実際体験した
職人さんの卓越した技術と知識でつくられる「オーダーメイド靴の世界」をご紹介します。
オーダーメイド靴の工程
【工程1:足の採寸】
まずは、足の計測を行います。

・足の外側・内側の輪郭、土踏まずの位置、指の位置や出っ張りなどにマークをつけていきます。
・次にメジャーで、足囲・殺し寸法(どこまで締めても平気かの確認)・くるぶし・甲の高さ・履き口・カカトのカーブなどを正確に計測します。
次にフットプリントに乗り、体の重心バランスを確認します。

そして、完成するのが私の足の設計図です。

【工程2:オリジナル木型の作成】
オーダー靴が既成靴と一番違うのは、この木型!
自分の足に合わせたオリジナルの木型が、職人さんの手作業で作成されます。
作り手により、考え方はいろいろありますが
みなさん、ただ足と同じものを作るんじゃないんですよね。
(同じでよければ、3Dプリンターで簡単にできちゃう)
土踏まずのカーブや長さ、足の幅などを加味し
締めるところ、緩めるところ、圧力がかかる箇所を計算。
経験と思考を凝らし、平面を立体的な木型に作りこんでいきます。

私の木型がこちら
9㎝ヒールの角度に合わせたオリジナル木型に、
さらに赤い蝋を継ぎ足し、私の足型が作られています。

【工程3:デザインの打ち合わせ】
木型が完成したら、次はデザインの打ち合わせです。
靴のラインはどんな形にするのか、素材は?色は?
職人さんと夢を膨らませて作りこんでいきます。

【工程4:型紙に合わせ革を裁断】
素材や形が決定したら、木型に貼ったテープを丁寧にはがし
型紙を作り、それに合わせ革を裁断していきます。

立体的なものを、平面に落とし込むので
ズレないように、慎重に革を切り出していきます。
【工程5:靴作りスタート】

ものすごい部品とパーツの多い靴。
1つでもズレれば、靴のバランスが狂ってしまいます。
革が重なる部分は、革を薄くスキし、ミシンをかけ、のり付け。
立体的になっていうのが、楽しみで嬉しくて仕方ありません!
なんたって、自分の足専用のお靴ですから♪

【工程6:仮靴・試し履き】
今回、私は初めての靴作りとなるため仮靴は行いませんでしたが
通常、オーダーメイド靴を職人さんに依頼する場合
木型に合わせた仮靴を作り、実際に履き心地や足の当たる箇所などを確認してから
より細かな調整をして、本番の靴を作ります。
通常、足の採寸から約2ヶ月後に仮靴完成となるそうです。
【工程7:靴底・ヒールの取り付け】
靴の上部が完成したら、ヒールの角度に合わせた靴底とヒールを取り付けていきます。
ヒールには最も強い力がかかるため、太いネジでしっかり固定します。
こちらは、職人さんにお願いしてしまったのでお写真がなくすみません。
【工程8:クリーニング・完成】
完成した靴を、しっかり磨き上げ完成です。
私のオーダーした靴はヒールが高いため、インソールの下にオリジナルのパッキングをお願いして、
カカトが前に滑り落ちないようにしていただきました。

いかがでしょう?
履き心地は、9㎝ヒールは高いものの不安定さはなく
つま先には程よく余裕があり、カカトは包み込まれ
体がまっすぐ立つ重心の良さをすぐに実感することができました。
今回、靴を勉強するための教室という形で作ったので
大変時間がかかってしまいましたが
通常オーダーメイド靴をお願いすると、
採寸から完成まで、3〜4ヶ月程かかるそうです。
10年20年と履ける自分専用の靴と出会えるのなら、
この時間と価格は、大変お得だったと感じます。
この子が手元に来てから、「新しい靴が欲しい」という欲が消えてしまいました。
欲望の源は枯渇感なので、心底満たされちゃったんですね(笑)

オーダーメイド靴は、深く職人さんと関わり長い時間をかけて作り上げるため
考え方の相違や相性もあると思います。
ぜひ、理想の靴に出会う1つの方法としてご参考になれば幸いです。
当店は、ドイツ製ルームシューズのオンラインストアとなり
オーダーメードシューズの注文は受けておりません。ご了承ください。